ワルシャワの近郊にあるこの家は、生い茂る杉林の中に建てられました。お客さまの当初のご要望は、開けたフロアプランにリビング、ダイニングとキッチを配置し、四人家族の寝室を別の階に設けてほしい、という内容でした。
周辺の発展から取り残された森にある住居。その住処自体を、投げられて放って置かれた石を想起させるようにデザインしました。ファセットカットのような形が、道路に向かって庭から立ち上がっているように見えるはずです。住む方たちの必要な用途と容量を考慮した包括的な研究の結果がこの多角面の形式だったのです。
窓の大きさはそれぞれ異なり、設置された場所は気まぐれに見えるかもしれませんが、実は、それぞれが住居を囲んでいる樹木たちを違った角度から眺められるようになっています。南向きのリビングは、艶出し加工された大きな戸を開けると、完全に広がった空間になり、木製のテラスデッキに違和感なしに進めるように設計しました。多角面の形式から生まれる様々な空間を各部屋に活かしました。
質素な素材を選び使っています。がっしりとした一枚岩の印象を作り出すために、外壁の被覆材には、灰色レンガを選びました。屋根には、タイタニウムの亜鉛鋼材を使い、全体的にしっかりとした質感にまとめ上げました。